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動脈硬化とは?~自覚症状がない怖さと、医師が教える原因・予防法~

[2026.06.01]

「健康診断でコレステロールや血圧が高く、動脈硬化が進むと言われた」 「年をとるにつれて血管の衰えが気になってきたけれど、何か症状はあるのだろうか」

このような不安や疑問をお持ちの方はいらっしゃいませんか。 動脈硬化という言葉はよく耳にすると思いますが、実際にどのような状態なのか、どんな危険があるのかを正確に知っている方は少ないかもしれません。

動脈硬化の最も恐ろしい点は、かなり進行するまで「全く自覚症状がない」ということです。そのため、医療の世界では「サイレントキラー(静かなる殺人者)」とも呼ばれています。ある日突然、脳梗塞や心筋梗塞といった命に関わる重大な病気を引き起こす原因となるため、早期の発見と対策が極めて重要です。

今回は、動脈硬化が起こるメカニズム、主な原因、放置するリスク、そして内科で行う検査や予防法について分かりやすく解説します。

動脈硬化とはどのような状態か?

私たちの体の中に張り巡らされている動脈は、心臓から全身の組織へ酸素や栄養を運ぶための大切なホースのような役割をしています。本来の健康な動脈は、しなやかで弾力性があり、血液がスムーズに流れるよう内壁も滑らかです。

しかし、様々な要因によって血管の壁が厚くなったり、硬くなったり、内側にコレステロールなどのゴミ(プラーク)が溜まって通り道が狭くなったりします。この一連の血管の老化現象を「動脈硬化」と呼びます。

ホースが古くなって硬くなり、内側に泥が詰まって水が流れにくくなったり、破れやすくなったりする状態をイメージすると分かりやすいかもしれません。

動脈硬化を進行させる「5つの主要な原因」

動脈硬化は加齢によってもある程度は進行しますが、そのスピードを劇的に加速させる原因の多くは、日々の「生活習慣」にあります。特に以下の5つは動脈硬化の重大な危険因子(リスクファクター)です。

高血圧

高い圧力がかかり続けると、血管の内壁が常にダメージを受け、傷つきやすくなります。その傷を修復しようとして血管壁が厚く、硬くなっていきます。

脂質異常症(高コレステロール血症)

血液中の悪玉(LDL)コレステロールや中性脂肪が多すぎると、血管の壁の内側に入り込んでドロドロとしたプラークを形成し、血管の通り道を狭くします。

糖尿病

高血糖の状態が続くと、血管の内側の細胞が傷つき、血管の柔軟性が失われます。糖尿病がある方は、ない方に比べて動脈硬化の進行が非常に早いことが知られています

喫煙

タバコに含まれるニコチンや一酸化炭素は、血管を収縮させて血圧を上げるだけでなく、血管の内壁を直接傷つけ、血液を固まりやすく(血栓ができやすく)させます。

肥満・運動不足・ストレス

内臓脂肪の蓄積や慢性的な運動不足、過度なストレスは、自律神経を乱して血圧や血糖値を上昇させ、間接的に動脈硬化を悪化させます。

放置することで引き起こされる重大な合併症

動脈硬化そのものに痛みや痒みはありませんが、進行して血液の流れが途絶えたり、血管が破れたりすると、発症した部位に応じて命に関わる病気(合併症)を引き起こします。

  • 脳の血管(脳血管疾患) 脳の血管が詰まると「脳梗塞」、破れると「脳出血」や「くも膜下出血」を起こします。一命を取り留めても、手足の麻痺や言語障害などの重い後遺症が残ることがあります。

  • 心臓の血管(心臓疾患) 心臓自体に酸素を送る冠動脈が狭くなると「狭心症」、完全に詰まると心臓の筋肉が死滅する「心筋梗塞」を引き起こし、突然死の原因になります。

  • 足の血管(閉塞性動脈硬化症) 足の血管が狭くなると、歩くときに足が痛む、しびれる、冷えるといった症状が出ます。進行すると、少し歩いただけで痛みのために歩けなくなる「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」が現れます。

内科クリニックでできる動脈硬化の検査

動脈硬化の有無や進行度合いは、医療機関で簡単な検査を行うことで客観的に把握することができます。当院では以下のような検査を行っています。

  • 血液検査・尿検査:糖尿病、脂質異常症、腎機能低下などのリスク因子を調べます。

  • 頸動脈超音波(エコー)検査:首の血管に超音波を当て、血管の壁の厚さやプラークの有無を直接目で見て確認します。全身の動脈硬化の進行度を知る良い指標になります。

  • ABI(血管伸展性)検査:両手と両足の血圧を同時に測定し、血管の硬さや詰まり具合を数値化する検査です。

動脈硬化を予防・改善するためのポイント

硬くなってしまった血管を完全に元の若々しい状態に戻すことは困難ですが、生活習慣を見直すことで、進行をストップさせたり、血管が詰まるリスクを大幅に下げたりすることは十分に可能です。

  • 食生活の見直し:減塩(高血圧予防)を心がけ、野菜や青魚(EPA・DHA)、大豆製品を積極的に摂り、動物性脂質や糖分の摂りすぎに注意します。

  • 適度な有酸素運動:ウォーキングや水泳など、無理のない軽めの運動を1日30分、週に3日以上を目安に継続します。

  • 禁煙:血管を守るために、最も確実で効果的な方法です。

まとめ

動脈硬化は自覚症状がないまま静かに進行し、ある日突然、健康な日常を奪い去る恐ろしい病態です。しかし、健康診断の結果を真摯に受け止め、早い段階から内科で適切な管理と治療を行えば、最悪の事態は確実に防ぐことができます。

「健康診断の数値で再検査になった」「自分の血管年齢が気になる」という方は、放置せずにお気軽に当院内科までご相談ください。一人ひとりのリスクに合わせた生活指導や治療を行い、健康な未来を守るお手伝いをいたします。

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