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高脂血症(脂質異常症)とは?~自覚症状のない「サイレントキラー」の正体と改善法~

[2026.04.28]

健康診断の結果で「コレステロールが高い」「中性脂肪が基準値を超えている」と指摘されたことはありませんか。「特にどこも痛くないし、体調も悪くないから大丈夫」と放置してしまう方が多いのが、この「高脂血症(現在は脂質異常症と呼ばれます)」の特徴です。

しかし、脂質異常症は自覚症状がないまま血管を蝕み、ある日突然、心筋梗塞や脳卒中といった命に関わる事態を引き起こす「サイレントキラー(静かなる殺し屋)」です。本記事では、脂質異常症の定義から、放置するリスク、そして今日から始められる改善策について詳しく解説します。

高脂血症(脂質異常症)の定義と診断基準

血液中の脂質(コレステロールや中性脂肪)が一定の基準から外れた状態を指します。以前は「高脂血症」と呼ばれていましたが、善玉コレステロールが「低い」ことも問題となるため、現在は「脂質異常症」という名称が一般的です。

診断基準は主に以下の3つの指標で判断されます。

  • LDL(悪玉)コレステロール: 140mg/dL以上(高LDLコレステロール血症)

  • HDL(善玉)コレステロール: 40mg/dL未満(低HDLコレステロール血症)

  • トリグリセライド(中性脂肪): 150mg/dL以上(高トリグリセライド血症)

※これらは空腹時採血の基準値ですが、持病(糖尿病や高血圧)の有無や過去の病歴によって、目指すべき管理目標値は一人ひとり異なります。

なぜ放置してはいけないのか:動脈硬化のリスク

脂質異常症の最大の恐ろしさは、血管の壁に脂質がこびりつき、血管が厚く、硬くなる「動脈硬化」を進行させることにあります。

特にLDL(悪玉)コレステロールは、血管の壁に入り込んで「プラーク」と呼ばれるコブを作ります。このコブが破れると血栓(血の塊)ができ、血管を完全に塞いでしまいます。

  • 心臓で起これば: 心筋梗塞、狭心症

  • 脳で起これば: 脳梗塞

  • 足で起これば: 閉塞性動脈硬化症(足のしびれや痛み)

これらの病気は、一度発症すると命を落とす危険があるだけでなく、深刻な後遺症を残すことも少なくありません。症状がないうちに対策を講じることが、将来の自分を守る唯一の手段なのです。

脂質異常症を引き起こす主な原因

脂質異常症の原因は、大きく分けて「生活習慣」と「体質(遺伝)」があります。

食生活の乱れ

飽和脂肪酸(脂身の多い肉、バター、ラードなど)やコレステロールの多い食品(卵の摂りすぎなど)の過剰摂取はLDLを上昇させます。また、甘いものやアルコールの摂りすぎ、糖質の過剰摂取は中性脂肪を急増させます。

運動不足と肥満

運動不足は善玉(HDL)コレステロールを減少させ、中性脂肪を増やします。特に内臓脂肪型肥満は、脂質代謝を悪化させる大きな要因です。

体質・遺伝(家族性高コレステロール血症)

生活習慣に問題がなくても、遺伝的にコレステロール値が非常に高くなる方がいます(家族性高コレステロール血症)。この場合、若いうちから動脈硬化が進みやすいため、より早期からの薬物療法が必要となります。

生活習慣で数値を改善するためのポイント

多くの脂質異常症は、日々の積み重ねで改善が可能です。

① 食事療法の基本

  • 食物繊維を積極的に摂る: 野菜、海藻、きのこ類に含まれる食物繊維は、コレステロールの吸収を抑え、体外への排出を助けます。
  • 魚(青魚)を食べる: サバやイワシに含まれるEPAやDHAは、中性脂肪を下げ、血液をサラサラにする効果があります。
  • 油の質を変える: 動物性脂を控え、オリーブオイルやアマニ油などの植物性・魚性の油を適量摂るようにしましょう。

② 運動療法の習慣化

ウォーキングなどの有酸素運動を1日30分以上、週に3回以上行うことが理想的です。運動は善玉コレステロールを増やし、中性脂肪を下げる効果が医学的に証明されています。

医師による治療と薬物療法のタイミング

食事や運動だけで目標値に達しない場合、あるいは既に動脈硬化のリスクが高いと判断された場合には、薬物療法を検討します。

現在では、LDLコレステロールを強力に下げる「スタチン」をはじめ、中性脂肪を下げる薬、小腸からのコレステロール吸収を抑える薬など、多くの優れた治療薬があります。これらは動脈硬化の進行を抑え、心筋梗塞の発症率を有意に下げることが大規模な研究で分かっています。

「一度飲み始めたら一生やめられない」と不安に思う方もいらっしゃいますが、数値が安定し、生活習慣が改善されれば、薬の量を減らしたり、中止したりできるケースもあります。

まとめ:健康診断の結果を「宝の持ち腐れ」にしない

脂質異常症は、検査をしなければ気づくことができません。そして、指摘された時こそが「未来の大きな病気を防ぐ最大のチャンス」です。

「まだ若いから」「症状がないから」と放置せず、まずは自分のリスク(血圧、血糖値、喫煙習慣など)を総合的に把握し、適切な管理を始めることが大切です。

当院では、単に数値を下げるだけでなく、患者様一人ひとりのライフスタイルに合わせた無理のない食事指導や、最適な治療プランをご提案しております。再検査の通知が届いた方、数値が気になり始めた方は、ぜひお気軽に当院へご相談ください。沈黙の臓器や血管が悲鳴を上げる前に、共に対策を立てていきましょう。

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